名著【GIVE&TAKE】を読んでみたので、レビューを書くよ!
ねぇねぇ、GIVE&TAKEって、よくいうあげたら貰うっていう関係のこと?
世の中は確かにGIVE&TAKEで成り立ってるね。
この本で最も議論になるのはギバーとテイカーのお話だよ。
ギバー?テイカー?ちょっと耳慣れない言葉なんだけど、どういう意味?
詳しくは記事を通して解説するけど、日本語で言えば恩を返すかどうかだと思うよ。その人に恩を返すだけの信用があるかどうかが大事だね。
恩の返し方を3つのタイプに分類して解説しているのが本書なんだ。
そうね、確かに信用ってとても大事よね。
私はどれに当てはまるのかしら?解説お願いね!
あなたの周囲には進んで仕事を手伝ってくれたり、根気よく自分の話を聞いて無償でアドバイスをしてくれる人はいますか?
こういう人は【ギバー】というタイプです。
本書では人を3つのタイプに分類します。【ギバー】【テイカー】【マッチャー】の3つを覚えて下さい。
- ギバー:人に惜しみなく与える人
- テイカー:真っ先に自分の利益を優先させる人
- マッチャー:損得のバランスを公平にしようと考える人
実は成功する人に最も多いタイプは【ギバー】。
しかし、成功できない人に最も多いタイプも【ギバー】なんです。
一見矛盾しているようにも感じますが、ギバーにも成功するギバーと、そうでないギバーがいるんですね。
詳しくは後述しますが、多くの人は【マッチャー】で損得のバランスを考えながら仕事、生活をしています。
テイカーは「自分の評価」で頭の中がいっぱいになっている人で、他人がどうなろうとお構いなしです。
この記事を読むことで、ギバー・テイカー・マッチャーがそれぞれどういうタイプなのか分かります。
それでは、ギバーから解説してきましょう!
ギバーとは
【ギバー】とは、与える人のことをいいます。
ギバーは他者を中心に捉え、何を求めているかに注意を払います。
見返りを求めたりすることはありません。
仕事では自分の知識、時間、アイデア、人脈を惜しみなく使い、職場全体がうまくいくことを考えます。
まるで仏のような人ですが、こういうギバーが職場にいると仕事がとても円滑に、そして成功することが出来ます。
ただし、ギバーにも2タイプあります。
- 自己犠牲型:他者利益に尽くしすぎて、自己利益には興味がなく損をするタイプ。
- 他者志向型:他者利益と自己利益両方に興味があり、受け取るよりも多くを与え、自分にもしっかり還元されていくため自己利益を損なわないタイプ。
自己犠牲型は病的なまでに他人に尽くしてしまいます。
その結果自分自身も傷付けてしまい、自己利益が全くありません。
他者志向型は自己利益を見失わなず、「いつ、どこで、だれに」与えるのかをしっかり決めることが出来ます。
大事なのは、自分にも興味があり、バランスなんですね。
テイカーとは
テイカーは常に与えるよりも多くを受け取ろうとします。
自分の利益を最優先にするため、相手に利益が出なくても気にしません。
アメリカ社会は非常に厳しい競争社会なので、テイカー社会といえます。
人を蹴落としてまで出世したり、自分がいかに有能かアピールし、自己利益を追求する社会が根付いています。
日本には義理や人情を重んじる文化がありますので、日本のほうがギバーが多い可能性が高いんです。
ただ実際の数は測れないので、周囲にいるギバーが多いかもしれない、といった感じですね。
テイカーに話を戻しますが、テイカーは全く与えないかというと、そうではありません。
- 最終的に自己利益が相手の利益よりも大きくなることが分かっている時
- 自分の上司や目上の人に媚びへつらう時
実はテイカーには愛想が良く、上司に気に入られやすい人も多いんです。
愛想よく振りまいて、自分の取り分・評価が最大化出来るように振る舞っているのです。
愛想が良くても、考えていることは自己利益のため。
ただし、テイカーが極悪非道かというと、そんな事はありません。
アメリカのような激しい競争社会では自分の事を第一に守らないと、生きていけないからです。
言い換えれば、とても用心深い人です。
常に疑い、自分の不利益になることはないかと目を光らせています。
マッチャーとは
マッチャーは損得のバランスを取ろうとする人のことをいいます。
「この間あの人にはプレゼントを貰ったからお返ししよう。」
「昨日手伝ってくれたから今日は手伝ってあげよう」
自分だけが得をし過ぎないように、相手が損をし過ぎないように行動します。
ただし、損得を公平にしようとするため、相手のタイプで対応を変えます。
- テイカー:奪われないように自己防衛したり、しっぺ返しをする
- マッチャー:お互いの損得のバランスを取る
- ギバー:お互いの損得のバランスを取るが、今まで沢山与えられてきたためギバーが困った時には助けてあげる。
マッチャーはちょうどギバーとテイカーの中間に位置しています。
相関図で3者の関係を確認してみましょう。
ギバー、テイカー、マッチャーの相関関係
それぞれの相関関係は図のようになります。
自分がどの3つの分類でどこに当てはまるのか知りたくありませんか?
実は簡単なテストで自分がどの分類なのか分かります。
本書にも登場する「最後通牒ゲーム」と「あなたが影響を与えた人は?」の2つのテストがあります。
2つのテスト結果のポイントを合算すると、自分がどの分類なのか分かりますので是非やってみて下さい👍
ギバーとテイカーの攻防
自己犠牲型のギバーはテイカーに搾取されてしまう傾向にあります。
日本ではブラック企業という言葉がありますが、これは社長や幹部がテイカーだから産まれた組織でしょう。
自分の利益になる為に部下に厳しく当たるような組織は、ギバーが上司であれば有り得ない組織です。
もちろんこれ以外にも原因はありますが、自己犠牲型のギバーは病的なまでに尽くすため搾取され続けてしまいます。
ではどうすれば搾取されないか…。
☆相手の心ではなく、思考を読み取ってテイカーかどうかを判断する
「大変だね」と助けるのではなく、「この人はどうして助けを求めてきているのか」を考えます。
そうすることで、相手がテイカーなのか、マッチャーなのか見分けることが出来るようになります。(簡単ではありませんが…)
テイカーとして見分けられるようになったらどう対応すればよいかと言うと…
☆テイカーと接する時はマッチャーになればよい
マッチャーはテイカーに対してしっぺ返しをします。
ギバーも同じようにしっぺ返しをすると搾取されず対応することが出来ます。
ただし、本書では3回のうち1回は協力的な態度で接する、寛大なしっぺ返しを推奨しています。
テイカーに名誉挽回のチャンスを与えてやることで、適度な距離を持つことが出来ます。
最後に
ギバー、テイカー、マッチャーの3つのタイプを解説してきました。
- ギバー:人に惜しみなく与える人。だたし、自己犠牲型と他者志向型に分かれる。
- テイカー:真っ先に自分の利益を優先させる人。不利益が大っ嫌い!
- マッチャー:損得のバランスを公平にしようと考える人。相手によって出方を変える。
本書は様々な実験結果や実際の人物を元に解説していて、ただのノウハウ本とは一線を画していて本当に名著です。
読み終わった後は行動に移したくてウズウズしてくるぐらいです。
是非読んで頂きたい本ですが、ページ数が約400ページあり、少しボリュームがあるので読む時間がちょっと・・・という方のため、動画を用意しました。
TEDというスピーチをする番組で著者のアダム・グラントが3つの分類についてお話しています。
3つの分類をざっくり理解するにはこの動画が一番わかり易いと思いますので、是非一度見てみて下さい😁
それでは、また次の記事で👋